恵日寺
(磐梯町)

 恵日寺は磐梯山と号し、真言宗豊山派に属します。古く古絵図にあり、明治初年の廃仏毀釈によって一時廃寺となりました。塔頭であった観音院のもとに法燈をうけつぎ明治37年5月寺号の官許を得、更に大正2年「磐梯山恵日寺」として堂塔の修復をし、再興の緒として今日に至っています。
 たび重なる火災や廃寺のために丈六の薬師如来像、四天皇より下賜された銅印・瑠璃尺など多くの貴重な宝物類を散逸しました。しかし、現在残されている文化財の中で「白銅三鈷杵」が国重要文化財として指定され、「鉄鉢」が国重要芸術品として認定されています。「絹本著色恵日寺絵図」は国重要芸術品認定・県重要文化財として指定され、往時における伽藍の盛況をしのぶことができます。このほか「紙本墨書田歌」や「日光・月光菩薩面」「薬師如来光背化仏一具・七躯」が県の重要文化財として指定されています。
 現恵日寺の本堂は元禄15年(1703)に建立されたもので、三百年の星霜を経た建造物です。
 廃寺にされた後に旧塔頭を元に「恵日寺」と復興しましたが、これと区別して、国指定の史跡を「慧日寺」と書くことにしています。

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